はじめに
ADLINK社は、インテリジェントミドルウェアを使用してデバイスを監視および制御する SEMA®(スマート組み込み管理エージェント)を用意しています。
SEMA®は、Linux および Windows オペレーティングシステム、およびさまざまなHWプラットフォームで使用できます。
今回は Linux に SEMA Utility をインストールして、ボードの情報を取得してみたいと思います。
参考:
<今回使用した主な製品>
-
LEC-EL
インテル®第6世代Atom® x6000プロセッサ(旧コード名:Elkhart Lake)搭載の SMARC モジュールです
-
I-Pi SMARC Plus
M.2 拡張付き SMARC 2.1 リファレンスキャリアボードです
- HTS-sEL
LEC-EL のヒートスプレッダです
(他に LEC-EL のヒートシンクの THS-sEL もあります)
その他に今回用意するもの:
- HDMI ケーブル / モニター
- USB マウス・キーボード
- LAN ケーブル(インターネットへの接続に使用)
- Windows 10 PC ( USBメモリ への OS イメージの書き込みとして使用)
1.事前準備:Linux 環境の構築
下記 URL の手順を参考にして、Linux 環境を構築しておきます。
参考:
Intel® 第 6 世代 Atom® x6000 プロセッサを搭載した ADLINK社 SMARC LEC-EL での Ubuntu 22.04.1 LTS の環境の構築
2.SEMA Utility のインストール
1. 次のコマンドを順に実行して、ビルドに不可欠なパッケージをインストールし、SEMAソースコードをダウンロードしてコンパイルします。
sudo apt install build-essential git hexer i2c-tools
git clone https://github.com/ADLINK/sema-linux.git -b sema-ec
cd sema-linux
sudo make
sudo make install
2. 完了したら、次のコマンドを入力してすべてのドライバーをロードしてください。
sudo modprobe -a adl-bmc adl-bmc-boardinfo adl-bmc-vm adl-bmc-wdt adl-bmc-hwmon adl-bmc-nvmem adl-bmc-bklight adl-bmc-i2c adl-bmc-gpio adl-bmc-nvmem-sec
参考:
ADLINK SEMA® GitHub EC Controller
ADLINK SEMA® GitHub How to install on Linux
3.SEMA® によるボード情報の取得
次のコマンドを実行すると、SEMA Utility の機能一覧を確認できます。
全ての機能をサポートしているわけではありませんのでご注意下さい。
sudo semautil --h
下記は、コマンド実行後の出力の中から、ボードに関するコマンドの情報を抜粋したものとなります。
次のコマンドにより、ブートした回数を確認できます。
sudo semautil /d get_value 2
今までのブート回数が128回であることが判ります。
次のコマンドにより、システムの稼働時間を確認できます。
sudo semautil /d get_value 3
単位は分になりますので、トータルの稼働時間は791分であることが判ります。
次のコマンドにより、起動時のCPU温度を確認できます。
sudo semautil /d get_value 25
単位は10K(ケルビン)になりますので、25℃であることが判ります。
次のコマンドにより、現在のCPU温度を確認できます。
sudo semautil /d get_value 5
単位は10K(ケルビン)になりますので、46℃であることが判ります。
まとめ
今回は ボード情報を取得しましたが、他にも有益な機能がございますのでぜひお試しください。
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