はじめに
皆さんは Intel® Developer Cloud (以下 DevCloud )をご存じですか?インテルの用意しているクラウド環境で無料でアカウントさえ作ってしまえばどこからでも評価を行うことが可能です
サーバークラスの CPU だけでなく、インダストリアル環境で使われる組み込み環境向けの CPU も使うことができるので簡単な評価なら装置を買わなくても評価できてしまいます
今回はそんな DevCloud のアクセス方法と、サンプルで用意されている OpenVINO™ を使った Object Detection のでも実施方法をご紹介します
メモ:2024年2月の情報で作成しております
3種類ある DevCloud 環境
こちらが Intel® Developer Cloudのホームページです
https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/tools/devcloud/overview.html
サイトを見ると3つ環境が用意されています。それぞれを簡単に説明します。基本的には後に説明するアカウントを作れば、どの環境へもアクセス可能なので必要に合わせて触ってみて下さい。
- Accelerate AI and HPC :最新世代のインテル®Xeon®スケーラブル・プロセッサーやインテルのサーバ-向けGPUである インテル® Iris® Xe MAX GPUシリーズを使用することができます
- Optimize for the Edge : 最新世代だけでなく旧世代のインテル® Core® プロセッサーを使用することができます
- Build Multiarchitecture and FPGA Applications:基本的には oneAPI を評価するための環境でインテル®Xeon®スケーラブルプロセッサーだけでなくインテル® Iris® Xe MAX や インテル® Arria® 10 FPGA やインテル® Stratix® 10 FPGAなどの FPGA を触ることができます
今回はこの中から ”Optimize for the Edge” 環境を使ってみたいと思います
DevCloud のアカウント作成
先ほどの Overview ページから Optimize for the Edge のページをクリックするとこちらになります
https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/tools/devcloud/edge/overview.html
まずはこの Create an Intel Developer Cloud Account をクリックします
その後 Create an Account をクリックし新規でアカウントを作成します
メールアドレスや名前、言語、国、パスワードを入力し、ニュースレターの配信に同意したらメールで認証を行います
入力したメール宛にメールアドレスの確認が送られてきているので、そこに記載してあるコードを Verification code に入力し、Create an account をクリックします
目的や所属、購読するメールマガジンの選択等のページの後に Submit をクリックすればアカウントの作成が完了です 。作成後、メールでアカウントが作成された旨のメールが配信され、また画面上にも Intel® Developer Cloud のアカウントが作成された旨が表示されます
これでアカウントの作成は終了です
では次に ”Optimize for the Edge” の環境にアクセスしてみましょう
Intel® Developer Cloud for the Edge
Optimize for the Edge 環境は正確には Intel® Developer Cloud for the Edge と言います。こちらの環境を使って OpenVINO™ を動かしてみましょう
https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/tools/devcloud/edge/overview.html
アカウント作成と同じページですが、中段にある Bare Metal Development の Get Started をクリックします
その後先ほど作成したアカウントでログインします
ログイン後、自分のクラウド環境としてのセットアップが始まります
少し待つとこのようなコンソール画面が現れます
環境は Jupyter Note Book の形で用意されており、各サンプルはステップごとに実行していけばできるように構成されています
今回はこの中から右端の Object Detection のサンプルである Accelerated Object Detection を実行してみましょう
Accelerated Object Detection のデモ実行
実行すると Jupyter Notebook が開き、説明文が用意されています
実行自体は 上部にあるのマークをクリックすることで各ステップを実行していきます
実行に時間がかかる部分もありますので、アウトプットを確認しながら進めていく必要があります
例えば [3] の モデルのダウンロードや、[4] の mo でのモデルの変換などは時間がかかるので少し待つ必要があります
[3] のモデルのダウンロードで言えば、下記のように All files that were downloaded! と表示されてから進むとよいでしょう
ステップを進めていくといよいよ Run the demo のステップとなります
こちらを実行すると、実行する CPU や GPU を選ぶことができます
例えば Intel® Core™ i7-1185G7E に内蔵されている Intel®Iris Xe graphics GPU で実行する場合、以下のように選択し Submit をクリックします
Submit 後、Job が キューイングされます
Job が実行できるようになると自動的に実行されます
Pre Infer Progress、Inference Progress、Post Infer Progress がすべて Done になり少し経つと 薄くなっていた Display output が選択できるようになり、Plot results も表示されます
Display Outout をクリックすれば推論結果の動画を確認できます
Telemetry をクリックすれば別タブで実行時の実行結果が表示され電力やメモリ使用率、CPU使用率などを確認することができます
Plot results を確認すると Inference Time と Frame per second をグラフで表示することができます
一度先ほどの Run the Demo に戻り、別の Target node や Target architecture を選択し同じように Submit すると、Plot results で実行結果を比較することができます
例えば、今度は同じ CPU ですが先ほどの GPU での処理ではなく CPU で処理させてみます
また Pre Infer Progress、Inference Progress、Post Infer Progress がすべて Done になり Plot results をクリックすれば先ほどとの比較をすることができます
おわりに
今回はIntel® Developer Cloud を使ってOpenVINO™ での Object Detection を実行してみました
こちらの環境にはほかにもさまざまなサンプルが用意されているので、初めて OpenVINO™ を触る方はもちろん、OpenVINO™ で何ができるかを確認したりエッジ環境のデバイスを見積もったりする際にも有益な環境になっています
このほかにも生成AI の実行環境なども用意されているので、ぜひ OpenVINO™ を使ってどんなことができるのかを確認してみて下さい