はじめに
温度はデバイスの動作や安全性に大きな影響を与える重要な要素です。Agilex™ 3 には温度センサーが内蔵されており、JTAG 経由でリアルタイムに温度監視が可能です。
この記事では Configuration Debugger Tool を用いて温度を確認する方法について説明します。
ポイント: Configuration Debugger は Quartus® Prime に内包されています。そのため Quartus® Prime をインストール済みであれば使用することができます。
ポイント: Agilex™ 3 を例として説明していますが、他の Agilex™ ファミリーや Stratix® 10 など、Secure Device Manager(SDM)を採用したデバイスファミリーであれば、同様の手順となっています。
1. 温度センサー搭載個数と配置箇所
型番によって異なりますが、Agilex™ 3 には 3 個または 6 個の温度センサーが搭載されています。温度センサーの搭載個数と配置箇所について以下で説明します。
1-1. 搭載個数
Agilex™ 3 の型番の違いによる温度センサーの搭載個数を下表に示します。
【表 1】 温度センサーの搭載個数
Agilex™ 3 型番 |
温度センサー個数 |
A3C 025 |
3 個 |
A3C 100 |
6 個 |
1-2. 配置箇所
温度センサーの搭載箇所も型番によって異なります。型番の違いによるデバイスのダイ上での配置所を下図に示します。赤丸の箇所が温度センサーの場所となります。
【図 1】 型番別温度センサーの配置箇所
(出典:Power Management User Guide: Agilex™ 3 FPGAs and SoCs)
2. 温度確認手順(Configuration Debugger)
Configuration Debugger を起動して温度を確認するまでの流れを紹介します。Configuration Debugger は温度をリアルタイムで波形として表示することがき、実際の温度変化を確認することができます。
2-1. デバイスをコンフィグレーション
Configuration Debugger にて温度を確認する際には、事前にデバイスをコンフィグレーションしておく必要があります。コンフィグレーションするデザインはどのようなデザインでも問題ありません。コンフィグレーション手順については下記の記事をご参照ください。
参考資料:Agilex 3 でやってみた ~ FPGA のコンフィグレーション
2-2. Configuration Debugger の起動
次に Configuration Debugger を起動します。Configuration Debugger は Quartus® Prime メニューバーの Tools -> Configuration Debugger から起動することができます。
【図 2】 Configuration Debugger の起動
ポイント: ここでは Quartus® Prime から起動する方法をご紹介しましたが、Quartus Programmer からも起動することができます。Quartus Programmer から起動する際には Quartus Programmer メニューバーの Tools -> Configuration Debugger から起動することができます。
2-3. Hardware Setup と Load Device の設定
① Configuration Debugger が起動したら、最初に [Hardware Setup] ボタンをクリックします。そうすると Hardware Setup という名前の GUI が起動します。
【図 3】 Hardware Setup GUI の起動
② Available hardware items に使用可能な Hardware がリストされます。今回は Atum A3 Nano を選択します。
【図 4】 Hardware 選択前の状態
注記: もし Hardware が表示されない場合は、[Hardware Setup] ボタンをクリックして、数回再起動してみてください。
③ 正常に Hardware を選択することができると下図のように設定されます。
【図 5】 Hardware 選択後の状態
④ 次に [Load Device] ボタンをクリックしデバイスを認識させます。正常にデバイスを認識すると下図のように型番が表示されます。この説明では [Load Device] ボタンをクリックすると下記型番が表示されます。
デバイス型番 : A3C(Y135BB18A|Z135BB18A)【図 6】 Load Device の実行
ポイント: JTAG チェーンに複数デバイスが含まれる場合、認識されるデバイスが複数になります。その場合はプルダウンで適切なデバイスを選択してください。
2-4. 温度確認
① Configuration Debugger には用途別に複数のタブが存在しています。今回は温度を確認するので、Temperature Sensor タブを選択します。
【図 7】 Temperature Sensor タブの選択
② Agilex™ 3 の場合は 4 つの Location が存在します。今回は SDM Block の温度を確認してみるので、"0 - SDM Block" を選択します。
【図 8】 Location の選択
③ [Start] ボタンをクリックすることでリアルタイムに温度を確認することができます。
【図 9】 温度確認の開始
ポイント: 複数の温度センサー(Channel)を含むロケーションを選択した場合には、複数の Channel のグラフが同時に表示されます。
④ 停止させるには [Stop] ボタンをクリックします。
【図 10】 温度確認の停止
Configuration Debugger で温度を確認する流れを GIF 動画にしてみました。操作手順の参考になれば幸いです。
【図 11】 温度確認フローの GIF 動画
おわりに
Agilex™ 3 をはじめとする SDM 搭載デバイス(Agilex™ ファミリー / Stratix® 10)には温度センサーが搭載されています。これらのセンサーにより、デバイス内部の温度を確認することが可能です。
Configuration Debugger を使用することで、JTAG 経由で温度情報を取得し、リアルタイムの温度変化を波形として視覚的に表示することができます。Configuration Debugger は操作もシンプルで、初めの方でも直感的にご利用いただけます。
また、今回は Configuration Debugger を用いた温度の確認方法に焦点を当ててご紹介しましたが、Configuration Debugger では温度以外にデバイス情報や電圧などの情報も確認することができます。これらの機能については、『Agilex™ 3 でやってみたシリーズ』 の別の記事でも詳しく解説しておりますので、是非そちらも併せてご覧ください。
「Agilex™ 3 でやってみた」シリーズ一覧はこちら