はじめに
電源電圧はデバイスの動作や安全性に大きな影響を与える重要な要素です。Agilex™ 3 には電圧センサーが内蔵されており、JTAG 経由でリアルタイムに電圧監視が可能です。
この記事では Configuration Debugger Tool を用いて各電源の電圧を確認する方法について説明します。
ポイント: Configuration Debugger は Quartus® Prime に内包されています。そのため Quartus® Prime をインストール済みであれば使用することができます。
ポイント: Agilex™ 3 を例として説明していますが、他の Agilex™ ファミリーや Stratix® 10 など、Secure Device Manager(SDM)を採用したデバイスファミリーであれば、同様の手順となっています。
1. 電圧センサー
Agilex™ 3 の電圧センサーシステムは、7ビットのアナログ・デジタル・コンバーター(ADC) を内蔵しており、最大で 1KSPS のサンプリングが可能です。
Agilex™ 3 の電圧センサーの構成は以下の通りです。
[図 1] 電圧センサー
(出典:Power Management User Guide: Agilex™ 3 FPGAs and SoCs)
2. 電圧確認手順(Configuration Debugger)
Configuration Debugger を起動して電圧を確認するまでの流れを紹介します。Configuration Debugger は電圧をリアルタイムで波形として表示することがき、実際の電圧変化を確認することができます。
2-1. デバイスをコンフィグレーション
Configuration Debugger にて電圧を確認する際には、事前にデバイスをコンフィグレーションしておく必要があります。コンフィグレーションするデザインはどのようなデザインでも問題ありません。コンフィグレーション手順については下記の記事をご参照ください。
参考資料:Agilex 3 でやってみた ~ FPGA のコンフィグレーション
2-2. Configuration Debugger の起動
次に Configuration Debugger を起動します。Configuration Debugger は Quartus® Prime メニューバーの Tools -> Configuration Debugger から起動することができます。
[図 2] Configuration Debugger の起動
ポイント: ここでは Quartus® Prime から起動する方法をご紹介しましたが、Quartus Programmer からも起動することができます。Quartus Programmer から起動する際には Quartus Programmer メニューバーの Tools -> Configuration Debugger から起動することができます。
2-3. Hardware Setup と Load Device の設定
1) Configuration Debugger が起動したら、最初に [Hardware Setup] ボタンをクリックします。そうすると Hardware Setup という名前の GUI が起動します。
[図 3] Hardware Setup GUI の起動
2) Available hardware items に使用可能な Hardware がリストされます。今回は Atum A3 Nano を選択します。
[図 4] Hardware 選択前の状態
注記: もし Hardware が表示されない場合は、[Hardware Setup] ボタンをクリックして、数回再起動してみてください。
3) 正常に Hardware を選択することができると下図のように設定されます。
[図 5] Hardware 選択後の状態
4) 次に [Load Device] ボタンをクリックしデバイスを認識させます。正常にデバイスを認識すると下図のように型番が表示されます。この説明では [Load Device] ボタンをクリックすると下記型番が表示されます。
デバイス型番 : A3C(Y135BB18A|Z135BB18A)
[図 6] Load Device の実行
ポイント: JTAG チェーンに複数デバイスが含まれる場合、認識されるデバイスが複数になります。その場合はプルダウンで適切なデバイスを選択してください。
2-4. 電圧確認
1) Configuration Debugger には用途別に複数のタブが存在しています。今回は電圧を確認するため、Voltage Sensor タブを選択します。
[図 7] Voltage Sensor タブの選択
2) [Start] ボタンをクリックすることでリアルタイムに温度を確認することができます。
[図 8] 温度確認の開始
ポイント: 複数の温度センサー(Channel)を含むロケーションを選択した場合には、複数の Channel のグラフが同時に表示されます。
3) 停止させるには [Stop] ボタンをクリックします。
[図 9] 電圧確認の停止
おわりに
Agilex™ 3 をはじめとする SDM 搭載デバイス(Agilex™ ファミリー / Stratix® 10)には電圧センサーが搭載されています。これらのセンサーにより、デバイスの電圧を確認することが可能です。
Configuration Debugger を使用することで、JTAG 経由で電圧情報を取得し、リアルタイムの電圧変化を波形として視覚的に表示することができます。Configuration Debugger は操作もシンプルで、初めの方でも直感的にご利用いただけます。
また、今回は Configuration Debugger を用いた電圧の確認方法に焦点を当ててご紹介しましたが、Configuration Debugger では電圧以外にデバイス情報や温度などの情報も確認することができます。
これらの機能については、『Agilex™ 3 でやってみたシリーズ』 の別の記事で解説しておりますので、是非そちらも併せてご覧ください。
「Agilex™ 3 でやってみた」シリーズ一覧はこちら