はじめに
このコンテンツでは、インテル® HLS コンパイラーを Windows® 10 で使用する場合の環境構築方法を紹介します。
Windows® OS でインテル® HLS コンパイラーを使用する場合、GCC 環境として Microsoft Visual Studio をインストールする必要があります。使用するインテル® HLS コンパイラーのバージョンによって使用する Microsoft Visual Studio バージョンが異なりますのでこちらで事前にご確認ください。
このコンテンツの対象ツールとバージョン
- インテル® HLS コンパイラー ver.19.3
- インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェア・プロ・エディション ver.19.3
※このコンテンツは ver.19.3 向けに作成していますが、ver.19.4 にも適用可能です。ver.19.2 以前のバージョンには適用できません。
Windows® 環境で必要なツール
インテル® HLS コンパイラーを使用する際には下記のツールが必要です。
- インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェア ver.19.3
- インテル® HLS コンパイラー
- 論理シミュレーター(以下いずれか)
- ModelSim®-Intel® FPGA Edition(Starter Edition 含む)
- ModelSim® DE / PE / SE(Mentor Graphics 製品)
- Questa® Sim(Mentor Graphics 製品)
- C++ コンパイラー(以下いずれか)
- Microsoft Visual Studio 2017 Professional(有償)
- Microsoft Visual Studio 2017 Community(無償)
各ツールのインストール方法
インテル® Quartus® Prime 開発ソフトウェア ver.19.3 と インテル® HLS コンパイラーのインストール
こちらを参照ください。
ModelSim®-Intel FPGA Edition のインストール
こちらを参照ください。
Microsoft Visual Studio 2017 のインストール
次章にて紹介します。このコンテンツでは無償版の Community を使用しています。
Microsoft Visual Studio 2017 Community のインストール方法
下記の手順に沿って、ダウンロードとインストールを行います。
1.Visual Studio インストーラーをダウンロード
下記の Web サイトにアクセスします。
https://visualstudio.microsoft.com/ja/free-developer-offers/
Visual Studio Dev Essentials の項目の「今すぐ参加」をクリックします。(Microsoft アカウントの作成が必要です。)
ログインし、Visual Studio Dev Essentials へようこそ という画面が表示されたら、画面上部の「ダウンロード」タブを開き、Search downloads 欄に「Visual Studio 2017 Community」と入力して検索します。
Visual Studio Community 2017 (version 15.9) をダウンロードします。
vs_community__1946871446.1562765771.exe ファイルがダウンロードされます。
2.インストーラーを実行
vs_community__1946871446.1562765771.exe を実行します。
下記のインストール画面が起動しますので、インストールするツールにチェックを入れます。インテル® HLS コンパイラーを使用するには、最低限「C++ によるデスクトップ開発」が必要です。
右下のプルダウンから「ダウンロードしながらインストールする」「全部ダウンロードしてからインストールする」のどちらかを選択して「インストール」をクリックします。
ダウンロードとインストールが進み、完了すると再起動を要求されますので再起動します。インストール完了後に Visual Studio のツールが起動した場合は、そのまま閉じてください。
3.Visual Studio のセットアップ
コマンドプロンプトを起動してセットアップを行います。まず、Visual Studio がインストールされたディレクトリーに移動します。
コマンド例)>cd "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017\Community\VC\Auxiliary\Build"
vcvars64.bat を実行します。
コマンド例)>vcvars64.bat
※ このバッチファイルでの設定はコマンドプロンプトを閉じると無効になりますので、HLS コンパイラーを使用するためにコマンドプロンプトを起動した際には、毎回実行する必要があります。
HLS コンパイラーのセットアップ
引き続きコマンドプロンプトで作業します。インテル® HLS コンパイラーのインストール・ディレクトリーに移動します。
コマンド例)>cd C:\intelFPGA_pro\19.3\hls
init_hls.bat ファイルを実行します。
コマンド例)>init_hls.bat
下記のようにエラー無く実行されればセットアップ完了です。次章のサンプルのコンパイルでもこのコマンドプロンプトを引き続き使用しますので、閉じないでください。
※ このバッチファイルでの設定はコマンドプロンプトを閉じると無効になりますので、HLS コンパイラーを使用するためにコマンドプロンプトを起動した際には、毎回実行する必要があります。
サンプルプログラムのコンパイル
下記の手順で、インストール・ディレクトリーにあるサンプルプログラムを使用してコンパイルのテストを行います。
1.サンプルプログラムのコピー
インストール・ディレクトリー(例:C:\intelFPGA_pro\19.3\hls\examples)にある counter フォルダーを作業用のディレクトリーにコピーします。
2.コンパイルの実行
先ほど init_hls.bat を実行したコマンドプロンプトで、counter フォルダーをコピーした作業ディレクトリーに移動します。
コマンド例)>cd C:\work\v19.3_pro\counter
build.bat を実行します。
コマンド例)>build.bat
エラー無く完了したら生成された test-x86_64.exe を実行します。
コマンド例)>test-x86-64.exe
下記のように PASSED と表示されれば、コンパイルのテストが問題なく完了したことになります。
これで Windows® 環境でインテル® HLS コンパイラーを使用できるようになりました!!