1. はじめに
この記事では、Altera®(Intel®)SoC FPGA デバイスのソフトウェア開発ツールである Arm® Development Studio(DS)for Intel® SoC FPGA Edition(以下、Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition)のライセンス設定について説明しています。
1-1. SoC EDS ライセンス
- SoC FPGA エンベデッド開発スイート(以下、SoC EDS)において、唯一ライセンスが必要なコンポーネントは、Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition です。
- Quartus® Prime 開発ソフトウェア(以下、Quartus® Prime)v20.1 以降、SoC EDS が採用する標準のソフトウェア統合開発環境は Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition へ移行しています。旧製品である Arm® DS-5™ は、Quartus® Prime v19.4 以前のバージョンで使用できますが、以下の点にご留意ください。
- Arm® DS-5™ Intel® SoC FPGA Edition のライセンスは新規販売を終了しています(新規採用の場合は Arm® DS をご使用ください)。
- Arm 社の方針より、Arm® DS-5™ は今後アップデートの予定はありません(可能な限り Arm® DS への移行をお勧めします)。
- ライセンスについては、Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition Toolkit のページ をご参照ください
- Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition を使用するためには有償ライセンスが必要です。
- Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition のスタンドアロン・ライセンスをご購入いただくか、一部の SoC FPGA 開発キットに同梱されているライセンスをご使用頂けます。
- 有償ライセンスには、購入日または更新日から 3 年間のメーカーからのサポートとメンテナンスが含まれています。
-
- 30 日の試用評価ライセンスの取得と設定については、「6-2. 試用評価ライセンスの取得と設定」 の項をご確認ください。
- 評価版ライセンスは Intel® SoC FPGA Edition ではなく、Arm 社がサポートする Arm® DS Gold Edition のライセンスとなりますが、機能的な違いはありません(Intel® SoC FPGA Edition の試用評価にご使用いただけます)。
1-2. ライセンスの取得
- 一部の SoC FPGA 開発キットまたは Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition のスタンドアロン・ライセンスを購入した場合には、別途、Arm ライセンスシリアル番号が発行・通知されます。
- これは、2 つのダッシュ(-)を含む 15 桁の英数字の文字列です。 □□□□□ー□□□□□ー□□□□□
- Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition をアクティベートするためのライセンスファイルを取得するには、この Arm ライセンスシリアル番号を使用します。
- Arm ライセンスシリアル番号は、メーカーより E-Mail にてお客様(発注者様)へ送られます。
1-3. 関連情報
- 以下のページに SoC EDS の情報がありますので、併せて参照ください(2020 年 12 月現在)。
- Arm® DS のライセンス管理についての詳細は、以下のページをご覧ください(2020 年 12 月現在)。
参考:Licensing Arm Development Studio
2. Arm 社へのユーザー登録
- ライセンス登録中にユーザー情報の登録を求められます。事前に Arm 社の以下のページよりユーザー登録を行い、登録したメールアドレスとパスワードを控えておいてください。
① Arm 社のページ で “REGISTER” タブをクリックします。
【図 2-1】 Arm 社のページで “REGISTER” タブをクリック
② “Email Address” を入力し[Send verification code]をクリックします。
【図 2-2】 “Email Address” を入力し[Send verification code]をクリック
③ Arm 社より E-Mail で verification code が送られてきます。
【図 2-3】 verification code メール
④ 送られてきた verification code を入力し[Verify code]をクリックします。
【図 2-4】 verification code を入力し[Verify code]をクリック
⑤ “First name”、“Last name”、“Country”、“Password”、“Confirm password” を入力し[Create]を
クリックします。
【図 2-5】 各項目を入力し[Create]をクリック
⑥ アカウント登録完了の E-Mail が届くので[Log in]をクリックしてログインできることを確認
します。
【図 2-6】 アカウント登録完了の E-Mail から[Log in]をクリック
3. イーサネット MAC アドレス(ホスト ID)の準備
- Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition をインストールして使用するためには、ライセンスと紐付けられるホスト ID として、イーサネット MAC アドレスの登録が必要になります。
- ホストID には、パソコンに組み込まれたイーサネット・デバイスの MAC アドレスを使用しますが、この場合はそのパソコン固定で Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition を使用することになります。
- USB 接続の Ethernet アダプターを使用してライセンス登録することも可能です。この場合は、Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition をインストールしてある複数のパソコンで、アダプターを差し替えることによって使用することが可能になり、可搬性の面で便利です(同時に複数のパソコンで Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition を使用することはできません。USB 接続によりホスト ID が認識されている 1 台のパソコンでのみ使用可能です)。
- イーサネット MAC アドレス(物理アドレス)の確認は、パソコンのコマンドプロンプトから、以下のコマンドを入力することで確認できます。
- Windows 環境:
ipconfig /all
- Linux 環境:
ifconfig
または
ip a
- Windows 環境:
- Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition のライセンスを、そのライセンスを生成したホスト ID(イーサネット MAC アドレス)から別のホスト ID に移動(リホスト)するには、Arm 社から新しいホスト ID で新しいライセンスファイルを取得する必要があります。リホストの手順は「7. Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition のリホスト方法」をご参照ください。
4. Arm 社のホームページからライセンスファイルを入手する方法
- シリアル番号(15 桁)とイーサネット MAC アドレスをお持ちであれば、Arm 社 Software Licensing ページ から直接ライセンスファイルを生成しダウンロードすることができます。
① 「Software Licensing ページ」に行きます。[Generate]をクリックします。
【図 4-1】 Arm 社 Software Licensing ページから[Generate]をクリック
② 下図のような LOGIN 画面が出た場合は、メールアドレスとパスワードを入力して[Log in]を
クリックします。
【図 4-2】 メールアドレスとパスワードを入力して[Log in]をクリック
③ 下図のような Generate 画面が出るので、シリアル番号(15 桁)を 2 つのダッシュ(-)を含めて
入力し[Create License]をクリックします。
【図 4-3】 Generate 画面でシリアル番号を入力し[Create License]をクリック
④ “HostID Type” に ETHERNET を選択し、“HostID” にイーサネット MAC アドレスを入力して
[Generate]をクリックします。
【図 4-4】 “HostID Type” に ETHERNET を選択し “HostID” に MAC アドレスを入力
⑤ [Confirm]をクリックします。
【図 4-5】[Confirm]をクリック
⑥ [Download License]をクリックします。
【図 4-6】[Download License]をクリック
⑦ [Download]をクリックすると生成されたライセンスファイルがダウンロードできます。
【図 4-7】[Download]をクリックしてライセンスファイルをダウンロード
5. Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition の起動
5-1. Embedded Command Shell の起動
- Windows のスタートメニューから、以下の Embedded Command Shell を開始できます。
- 20.1 Pro の場合: スタートメニュー → Intel FPGA 20.1 Pro Edition → SoC EDS Command Shell
- 20.1 Std の場合: スタートメニュー → Intel FPGA 20.1 → SoC EDS Command Shell
- Linux の場合は、ターミナル上で embedded_comand_shell.sh を実行します。
- 20.1 Pro の場合: ~/intelFPGA_pro/20.1/embedded/embedded_command_shell.sh
- 20.1 Std の場合: ~/intelFPGA/20.1/embedded/embedded_command_shell.sh
【図 5-1】 Windows スタートメニューから Embedded Command Shell を開始
【図 5-2】 起動した Embedded Command Shell
5-2. Arm® DS シェルの起動
① Embedded Command Shell から cmdsuite プログラム(suite_exe)を実行します(Arm® DS
バージョン 2020.1 の例)。
- cmdsuite は Arm® DS のコマンドプロンプトで、ライセンスとデータベースの設定に関する内部的なバッチジョブです。
- Windows 環境:
/cygdrive/c/Program¥ Files/Arm/Development¥ Studio¥ 2020.1/bin/cmdsuite.exe
- Linux 環境:
/opt/arm/developmentstudio-2020.1/bin/suite_exec -t "Arm Compiler 5" bash
- Windows 環境:
② bash プログラムを実行すると、Embedded Command Shell のプロンプト色に戻ります。
- bash を実行することで Quartus® Prime ツールへの PATH が通ります(Linux 環境では suite_exe 実行時に bash 指定済み)。
bash
【図 5-3】 Arm® DS シェルの起動
5-3. Arm® DS Eclipse の起動
① Embedded Command Shell から armds_ide コマンドを実行します。
armds_ide &
【図 5-4】 Arm® DS Eclipse の起動
② Arm® DS Eclipse が開きます。初回は Web からの更新が行われる場合があります。
【図 5-5】 Arm® DS Eclipse の開始と初回 Web 更新
③ Arm® DS の Welcome 画面が表示されます。これは、ドキュメント、チュートリアルやビデオに
アクセスするために使用することができます。
必要が無ければ[閉じる](×マーク)をクリックします。
【図 5-6】 Welcome 画面の[閉じる](×マーク)をクリック
6. ライセンスファイルの設定
6-1. 製品ライセンスの追加
① Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition を初めて実行すると、「ライセンスの追加」ボックスが
開いて、製品ライセンスを追加するように求められます。
[製品ライセンスの追加]を選択し[Next]をクリックします。
【図 6-1】 [製品ライセンスの追加]を選択し[Next]をクリック
※ メニューからライセンスを追加する場合は[Help]メニュー ⇒[ARM License Manager…]
を実行します。
② [加算]ボタンをクリックすると「ライセンスの追加」ボックスが開きます。
【図 6-2】 Arm® DS のメニューからライセンスを追加する場合
③ [ライセンスファイル]、[参照...]の順に選択して、先に Arm 社のホームページから
ダウンロードしておいたライセンスファイルを選択します。
その後[Next]をクリックします。
【図 6-3】 Arm 社のホームページからダウンロードしたライセンスファイルを選択
④ アクティブ化する製品を選択します。”Arm Development Studio Intel FPGA Edition” に ✓ を
入れて[Next]をクリックします。
⑤ [終了]をクリックします。
【図 6-4】 アクティブ化する製品(Arm Development Studio Intel FPGA Edition)を選択
⑥ [Apply and Close]をクリックします。
【図 6-5】 [Apply and Close]をクリックしてアクティブな製品を設定完了する
6-2. 試用評価ライセンスの取得と設定
① Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition の[Help]メニュー ⇒[ARM License Manager…]を実行
します。
【図 6-6】 Arm® DS のメニューから ARM License Manager を実行
② 「ライセンスの追加」ボックスが開いたら[評価ライセンスの取得]を選択し、[Next]を
クリックします。
【図 6-7】 [評価ライセンスの取得] を選択
③ 「ARM アカウントの詳細」 ボックスが開いたら、「2. Arm 社へのユーザー登録」の章で登録
した メールアドレスとパスワードを入力して[Next]をクリックします。
【図 6-8】 メールアドレスとパスワードを入力
④ 評価ライセンスの登録に使用するネットワーク・インターフェイスを選択し[Next]を
クリックします。
【図 6-9】 ネットワーク・インターフェイスを選択
⑤ アクティブ化する製品を選択します。”Arm Development Studio Intel FPGA Edition” に ✓ を
入れて[Next]をクリックします。
【図 6-10】 アクティブ化する製品(Arm Development Studio Intel FPGA Edition)を選択
⑥ [終了] をクリックします。
【図 6-11】 アクティブ化する製品の登録を終了
⑦ [Apply and Close]をクリックして試用評価ライセンスの設定を完了します。
7. Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition のリホスト方法
- Arm® DS Intel® SoC FPGA Edition のライセンスを、そのライセンスを生成した PC から社内の別の PC に移動するには、Arm 社から新しいホスト ID で新しいライセンスファイルを取得する必要があります。
- ホスト ID はイーサネット MAC アドレスから生成されます。また、ライセンスの移動は同じ法人内の PC 間で行う必要があります。
- リホストは Arm 社 Software Licensing ページ から申請することができます。
① 「Software Licensing ページ」に行き[Rehost]をクリックします。
※ LOGIN 画面が出た場合は、メールアドレスとパスワードを入力して[Login]をクリックします。
【図 7-1】 「Software Licensing ページ」に行き[Rehost]をクリック
② ライセンス再発行要求の免責事項が表示されるので、同意する場合は[I Accept]クリック
します。
【図 7-2】 ライセンス再発行要求の免責事項表示で[I Accept]をクリック
③ リホストしたいシリアル番号とホスト ID を確認し “Rehost” にチェックを入れて[Rehost]を
クリックします。
【図 7-3】 “Rehost” にチェックを入れて[Rehost]をクリック
④ リホストの理由の入力を求められるので、プルダウンから選び(この例では、Moving to a new workstation)、[Rehost]をクリックします。
【図 7-4】 リホストの理由を選び[Rehost]をクリック
⑤ リクエストが正常に送信され、後ほど Arm サポートから連絡がある旨が表示されるので[OK]を
クリックします。
【図 7-5】 後ほど Arm サポートから連絡がある旨が表示されるので[OK]をクリック
⑥ リホスト要求した結果、Arm 社から support case が発行され、Arm License Rehost Request の
E-Mail が送られて来ます。
⑦ 以降は、E-Mail(support case にポストされる指示)に従って対応を進めてください。